着るものをどうしたらいいか考える

着るのは楽しいけど、考えるのはもっと楽しい。

「この服は何を伝えているの?」という質問

 この本を買って読んでみました。結論から言うと、私が知りたかったことが書いてあって、すごく参考になりました。

 

まず、人はお互いに、着ているものから相手がどういう人かを判断するという身もふたもない事実。ほんとに、着るもの(と身だしなみ)は大事だね。

たとえば、近所のスーパーで、レジの列に並んでいる40代半ばくらいの男性を見かけたとしましょう。あなたはほんの数秒のうちに、服装、髪型、身なりなどから、男性の仕事や収入、自分との共通点の有無などを判断しているはずです。(中略)

同じジーンズでも、本当に履き古してくたびれた作業着なのか、それとも入念にダメージ加工した高級品なのか。その人のジーンズ、髪型、シャツは、どんなメッセージを発しているのか。建築家? それともリッチな弁護士? 仕事熱心な野心家? 未来の夫の候補になりそうな人?

 まさに「値踏み」されちゃいます! 対男性だけじゃなくて、女性同士でもこれはやりますよね。同じく「身なりに気を使っている人」であっても、「自分の世界があって面白そうな人だな」とか「人目ばかり気にしててつまらなさそうな人だな」とか「うわあここまで典型的な量産型OLスタイルをつらぬくとは逆に見事あなどれぬ」とか。誰もあからさまに口に出さないだけで。かなり微妙な違いだけど、そういう違いって感じ取れますよね。

つまり、朝、なんとなくぼんやりと選んで着てきた服でも、周りの人はその服で、自分の人間性とか魅力とかを判断しているわけです(怖)。だから、何を着るべきかということは、相当よく考える価値がある。こういうことをはっきりと書いてある点で、たいへんためになった。ありがたい本と言えます。

そして、こんなに重要なファッションについての意識を高めるにはどうしたらいいのか、という問いへの答えとして著者はこのように言います。

「これは何を伝えているの?」

これは究極の質問です。身につけるものを手にとるたびに、必ず自分にこの質問をしてください。 (中略)

スーパーのレジの列で見かけた男性のことを思い出してみましょう。彼が履いているジーンズの穴を見ただけで、その意味を一瞬のうちに理解できるはずです。その鋭い観察眼を、今度は自分にも向けてください。あなたまもた、レジの列で並んでいるときに、他の人たちから見られ、判断されているのです。

この部分だけで、この本を読んだ意味があったと思いました。

この質問をもう一歩自分のほうに引き寄せれば、すなわち「私はこれらのアイテムによって周りの人たちに何を伝えたいの?」です。「似合う色」や「似合う形」を突き止めようとするのも、つまりは、よりましなメッセージを伝えるため、だったんだなあ、と。 

この周りに伝えるメッセージをより意識的にし、精緻にしていくこと。これが今後の私の課題であると思いました。